漢方の薬用キノコ「霊芝(れいし)」の栽培法は原木栽培か、菌床栽培か?
先日、漢方の薬用キノコである霊芝(れいし)の栽培法についてインターネット上に質問が載っていました。
質問者は霊芝の栽培法が原木栽培か、菌床栽培かについて疑問に思った様子。
今回はこれについて書いていきます。
菌床栽培とは何か?
菌床栽培とは以前に紹介しました霊芝のポット栽培と同様の栽培法です。
菌床とはキノコの菌を培養し、生長させるための土壌代わりとなるものです。
この栽培法のメリットは室内で栽培がされるため温度や湿度などが管理され、栽培がしやすいことが挙げられます。
また年間で栽培が何回もできることもメリットの1つです。
エノキタケ(えのき)では菌床となるのは主にコーンコブミール(トウモロコシの芯を粉末化したもの)です。
栽培においてメリットが多そうな菌床栽培(ポット栽培)ですが、霊芝栽培においてはデメリットの方が大きいと思います。
その理由は霊芝が生長のために非常に多くの栄養を必要としていることです。
菌床栽培は事前にポットと呼ばれる瓶の中に栄養が入っており、その栄養分以上には霊芝は大きくなりません。
場合によっては傘が小さかったり、傘の厚さが薄かったりという霊芝ができてしまい、有効成分が十分に詰まった霊芝が栽培しにくいのです。
実際、一般に流通している白く細長いエノキタケ(えのき)は菌床栽培(ポット栽培)で生産されたもの。
しかし、天然のエノキタケ(えのき)はなめこのような色で、しっかりとキノコの形をしています。
この差は栄養分や栽培期間などが考えられるのです。
霊芝でも同じようなことがいえると思います。
原木栽培とは何か?
原木栽培とは栄養が詰まった木を輪切りにして、その木に霊芝の菌を繁殖させ、畑の中に埋めて育てる栽培方法です。
この栽培方法ですと菌床栽培(ポット栽培)よりも栄養が多く含まれていると同時に、周囲の土壌からも栄養を吸収できるため霊芝は傘が大きく、厚みがあります。
ただし菌床栽培(ポット栽培)のように気温や湿度などが管理できないため、熟練した農家さんでないと立派な霊芝を栽培するのは難しいようです。
また原木栽培は年に1回しか収穫ができません。
まとめ
霊芝で木を輪切りにしては芽が出た後の土に埋めるのは原木栽培です。
霊芝は菌床栽培(ポット栽培)にはあまり向きません。
ただ原木栽培は自然相手で気温や湿度の変化にこまめに対応しなければならないため、熟練した技術が必要です。
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