「霊芝(れいし)」と「さるのこしかけ」は同じものか?
昔、霊芝は「さるのこしかけ」と呼ばれていたことがありました。
当時は「さるのこしかけ=がんに効く」ということでブームになったそうです。
しかし、今では霊芝とさるのこしかけは別物として認識されています。
霊芝とさるのこしかけの違い
外見が違う
私の周囲でもご年配の人と話すと「昔、さるのこしかけを飲んでいた」ということをたまに聞きます。
しかし、霊芝とさるのこしかけは外見からして違うのをご存じでしょうか?
霊芝は土から生えるので普通のきのこのように柄がついています。
さるのこしかけは木から生えているため柄がありません。
まず2つを見分けるときに「柄」があるかどうかを確認しましょう。
種類が違う
「霊芝=さるのこしかけ」ではない根拠の1つに種類が違うことが挙げられます。
霊芝は「マンネンタケ科」のきのこで、さるのこしかけは「サルノコシカケ科」のきのこで種類が異なります。
生長期間が違う
この2種類は生長期間が違います。
霊芝は一年で傘を開いて生長し、胞子を放出します。
さるのこしかけは複数年かけて傘を大きくして生長していきます。
そのため、霊芝は一年草、さるのこしかけは多年草のようなものなのです。
効果効能が違う
「霊芝=さるのこしかけ」でイメージされている人にとっては同じであるように思われますが、「Google Scholar」など見ると、研究論文として掲載されているのは「霊芝」だけです。
霊芝は研究により薬効などが明らかになって、学術論文などにも掲載されます。
しかし、「さるのこしかけ」というキノコで研究がおこなわれ薬効があるとの論文を私は見たことがありません。
つまり、学術の世界でも「霊芝=効果がある」「さるのこしかけ=効果が認められない」と認識されているのです。
まとめ
昔からなんとなく形が似ているということで「霊芝=さるのこしかけ」と一般的に言われてきましたが、まったくの別物です。
確かにご年配の人にはさるのこしかけと言った方が、話が通じたりするのも事実です。
しかし、この2つは外見、種類、生長期間、薬効のどれをとってもまったくの別物です。
ときどきネット通販で「さるのこしかけ」そのものを販売している会社もあります。
購入される人は薬効があると信じて購入するのでしょう。
そのようなサイトを見ると「大丈夫か?」と思ってしまいます。
「霊芝=さるのこしかけ」ではないので購入する場合は、上記のようなポイントを調べてから購入するようにしましょう。
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