漢方の薬用キノコ「霊芝(れいし)」の血糖降下作用
食生活の欧米化や糖質摂取量が増えたことから糖尿病、もしくは糖尿病予備軍に数えられる人は2050万人で、なんと日本人の5人に1人が該当しています。
まさに国民病と言ってもいいですね。
糖尿病の怖いところ
糖尿病は血糖値の上昇にインスリンの分泌量が間に合わなくなり高血糖の状態が続くことです。
高血糖値がずっと続くと糖質が血管を傷つけていきます。
糖尿病の怖さは糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害などの合併症。
これらの病気は血管がボロボロになることで発症します。
そのため、血糖値が高い状態をいかになくすかが糖尿病治療のポイントなのです。
霊芝は糖尿病に効くのか?
では霊芝は血糖値を下げる効果があるのでしょうか?
それが分かる「霊芝菌糸体培養培地抽出物の抗酸化活性とストレプトゾトシン糖尿病マウスにおける改善効果」(『日本補完代替医療学会誌』Vol. 5 (2008) No. 3 P 209-218)という論文を見つけました。
この論文の抄録では霊芝の効果について以下のように記載されています。
糖尿病では,持続的な高血糖状態による酸化ストレスが病状の進行や合併症の誘発に密接に関与する.そこで,霊芝菌糸体培養培地抽出物 (WER) の抗酸化活性を調査し,ストレプトゾトシン (STZ) 誘発糖尿病マウスを用い,WER の糖尿病態改善効果について検証した.
WER の O2− 消去能および過酸化脂質産生抑制能を調査した.また,STZ 糖尿病マウスに WER (1 g/kg) を約 2 ヶ月間 1 日 1 回経口投与し,血糖値,体内酸化ストレス度,臓器の過酸化脂質含量および抗酸化酵素 (catalase, SOD, GPx) の活性について検討した.
WER は濃度依存的な O2− 消去能および過酸化脂質産生抑制能を示した.WER を投与した STZ 糖尿病マウスでは対照群に比べ血糖値および血中酸化ストレス度の有意な低下が認められた.また,WER は腎臓および肝臓の過酸化脂質含量および抗酸化酵素活性を正常群と同レベルに維持し,組織学的障害を軽減した.これらの結果から,WER は糖尿病における高血糖および酸化ストレスを低下させ,臓器障害を予防・改善する可能性が示された.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/5/3/5_3_209/_article/-char/ja/
この論文からも霊芝には血糖降下作用があることが、科学の目で明らかにされたのです。
まとめ
STZ 糖尿病マウスを用いた実験で霊芝を飲ませると血糖値の低下が認められました。
糖尿病治療の基本は食事療法ですが、そこに霊芝を併せて飲むことで治療の効果がさらに期待できます。
糖尿病を患っている人たちにとっては、霊芝は糖尿病改善の1つの選択肢としてありかもしれませんね。
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