霊芝の寺子屋[れいしのてらこや]

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漢方の薬用キノコ霊芝(れいし)には副作用があるのか?

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初めて霊芝(れいし)サプリメントを飲むときに心配に思われるのが「副作用」のことだと思います。

果たして霊芝には副作用があるのでしょうか?

今日はそれをお伝えしていきます。

霊芝は「上薬(上品)」

中国では後漢から三国時代に『神農本草経』という薬学書が編纂(へんさん)されました。

ここでは365種類の薬物を「上薬(上品)」「中薬(中品)」「下薬(下品)」の3つに分類しています。

 

霊芝もこの『神農本草経』の中に「上薬(上品)」として紹介されています。

「上薬(上品)」とは長期に服用して効果があり、副作用がないということです。

 

もともと昔の中国宮廷では医者に序列があったそうです。

その序列は上から食医、疾医、傷医、獣医というもの。

食医は食べ物で病気にならないようにする医者のことで、疾医は薬を使って病気を治す医者のこと、傷医は外科手術をすることで病気を治す医者のことで、獣医は動物を扱う医者です。

 

食医とその他の医者との大きな差は病気予防に重点を置いているか、病気になった後の治療に重点を置いているかということです。

食医は日々の食事に気をつけて、皇帝をはじめとした上流階級の人々を病気にしないようにすることが役割だったのです。

 

『神農本草経』に「上薬(上品)」が定義はこの食医の考えと同じ。

一般的に薬は病気になったら服用するものです。

ところが「上薬(上品)」は毎日の服用が前提で、しかも副作用がないとのこと。

薬でありながら毎日服用するということは通常から考えると不可解です。

ただ病気にならないために服用し続けると考えると納得がいきます。

つまり「上薬(上品)」とは食医が用いていたと解釈できるのではないでしょうか?

 

毎日服用して病気になったら食医としてはゆゆしき問題です。

だから薬物を「上薬(上品)」「中薬(中品)」「下薬(下品)」の3つに分けたのではないでしょうか。

 

『神農本草経』で薬物が3つに分類されるためには、臨床実験も含め、それなりの期間があったはず。

そうでなければ分類する基準が成立しません。

つまり『神農本草経』が編纂(へんさん)される前から少なくとも365種類の薬物はそれなりに使用されていたということです。

 

このようなことから漢方の世界で霊芝は安全性が非常に高い薬用キノコとして珍重されてきたのです。

 

論文でも霊芝の副作用はほとんどない

公益社団法人日本薬学会が発行している学術誌『藥學雜誌』(105(10), 942-947, 1985-10-25)には「霊芝に関する研究(第1 報) 高血圧症に対する効果及び副作用について」という論文が掲載されています。

 

http://ci.nii.ac.jp/els/110003649546.pdf?id=ART0004172503&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1471390233&cp=

 

この論文は人で高血圧に対しての効果と副作用について検証しています。

その中で副作用の項目では以下のように書かれています。

3.副作用

腎機能障害,肝機能障害,貧血,耐糖能異常などの副作用はみられなかった.臨床症状では53 例中2 例(3.8%)に副作用と思われる腹部膨満感,下痢の各1 例がみられたが,いずれも軽微で治療を必要としなかった.

ここから分かることはごく一部に「副作用と思われる」症状が出たが、軽微だったということです。

ここで副作用とは断言していないことに注目。

また、その症状が軽微で治療を必要としないレベルだったことを考えると、副作用の心配はほとんどないと考えていいのではないでしょうか?

 

まとめ

霊芝は『神農本草経』により「上薬(上品)」に分類されています。

「上薬(上品)」は長期に服用して効果があり、副作用がないということです。

 

また『藥學雜誌』に掲載された論文では、人による実験を実施して、「副作用」と断定された案件は1つもありませんでした。

このことからすると霊芝自体は非常に安全性が高い漢方の薬用キノコであると言えます。

霊芝を飲まれる方は安心して飲んで欲しいと思います。