霊芝の寺子屋[れいしのてらこや]

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漢方の薬用キノコ霊芝(れいし)サプリメントの製造方法(加圧熱水処理編)

rokkaku_160726ネットで霊芝に関するプレスリリースを調べていると各企業で霊芝の効能を引き出すいろいろな開発をしていることが分かります。

今回は鹿角霊芝(ろっかくれいし)のβグルカンを十分に取り出すことに成功したという新聞記事を発見。

その抽出法である「加圧熱水処理」についてお伝えします。

鹿角霊芝専用の抽出技術「加圧熱水処理」

佐賀新聞の「がん免疫力高めるβグルカン ミゾタが30倍の抽出技術(2009年01月28日更新)」という記事によると以下のように書いてあります。

がんに対する免疫力を高める働きがある物質「βグルカン」を、キノコの一種、鹿角霊芝(ろっかくれいし)から従来より30倍の効率で抽出する技術を、水門・ポンプメーカーのミゾタ(佐賀市、井田建社長)が開発した。体への吸収性を高め、がん細胞に類似させる手法も編み出した。県外の医療機関や健康食品メーカーの協力でがん患者に投与、効果を調べている。

同社の工場排水の処理技術を応用した「加圧熱水処理」で抽出した。細かく砕いた鹿角霊芝に20-30気圧の圧力をかけながら、高温の熱水にさらしてβグルカンを取り出す。従来の方式では、良質な鹿角霊芝に約50%含まれるβグルカンを1%程度しか抽出できなかったが、新技術では約30%抽出できるという。

βグルカンは、食物繊維のような多糖類で、そのままでは体内に吸収されにくい。加圧熱水処理などを施すことで、水溶性の「少糖類」に分解した。

この記事だけ見ると以前にご紹介した圧力を利用して霊芝エキスを抽出する「循環多段式加圧抽出法」と似ているな~というのが正直な感想です。

 

ただ「循環多段式加圧抽出法」と違うのは「高温の熱水にさらしてβグルカンを取り出す」というところ。

循環多段式加圧抽出法は過熱を最小限にするため圧力を利用して霊芝のエキスを抽出する方法。

それに対して加圧熱水処理では圧力をかけて熱水で霊芝エキスを抽出というようなイメージですね。

 

またこの記事で驚いたのが鹿角霊芝の抽出率。

「従来の方式では、良質な鹿角霊芝に約50%含まれるβグルカンを1%程度しか抽出できなかった」と書いてあります。

従来の抽出法では鹿角霊芝のβグルカンの抽出量が1%ということ。

 

従来抽出法がどのような抽出法なのかが記載されていませんので詳細は不明です。

通常の霊芝の熱水抽出法で約8%の抽出率であることを考えると、やけに効率が悪い抽出法を採っていたことが分かります。

 

まとめ

「加圧熱水処理」は鹿角霊芝専用の抽出技術です。

ポイントは圧力を加えた熱水で鹿角霊芝に含まれるβグルカンを抽出すること。

 

「循環多段式加圧抽出法」とコンセプトは似ていますが、決定的に異なるのが加熱時間。

循環多段式加圧抽出法は加熱時間を少なくするために圧力を利用するのに対し、加圧熱水処理では圧力を加えながら加熱時間が長いことです。

 

また鹿角霊芝の抽出率が従来法だと約1%と抽出法としてはあまり効率が良くなかったことが分かります。

しかし、この加圧熱水処理により鹿角霊芝のβグルカン量が良く抽出できるようになれば癌(がん)にも一定の効果が期待できそうなので、この抽出法が広く普及して鹿角霊芝の効果がより発揮されるといいですね。