漢方の薬用キノコ「霊芝(れいし)」と鹿角霊芝は何が違うか?
先日、サントリーウエルネス(以下、サントリー)が販売していた「鹿角霊芝(ろっかくれいし)」が販売終了になったことについて書きました。
ちなみに皆さんは霊芝と鹿角霊芝の違いをご存じでしょうか?
今回はこの2つの何が違うのかについて書いていきます。
霊芝と鹿角霊芝の外見上の違い
一般的に「霊芝」と呼ばれるものは、傘のあるキノコの形をしています。
それに対し鹿角霊芝は傘が開かない棒状の形をしています。
その棒状の形が鹿の角に似ているため「鹿角霊芝(ろっかくれいし)」と呼ばれているのです。
鹿角霊芝についてキノコ商社「チハヤ」のサイトには以下のように解説されています。
鹿角霊芝と霊芝(赤芝)とは同じ菌種。鹿角霊芝は、霊芝(赤芝)が発芽した際に、温度と光線の調節により、子実体が傘にならず、鹿の角状になったもの。
また鹿角霊芝専門の「八千草堂」によると以下のように解説されています。
鹿角霊芝には傘が無いのはなぜか?というご質問をいただきますが、以上述べましたとおり、鹿角霊芝には傘が無いのではなく、傘をつける前の状態ということをご理解ください。
なぜこのようなことを書くのかというと霊芝と鹿角霊芝はまったく別物であるというサイトをよく見かけるためです。
しかし、実際には同じ菌で、成長段階で傘が開くか、開かないかの差ということ。
このことをしっかり説明をしていないで「別物」と言っている鹿角霊芝を販売しているサイトは避けた方が無難です。
鹿角霊芝にはβグルカンが多いと言われているが
鹿角霊芝(ろっかくれいし)は一般的に「βグルカンが霊芝に比べて多い」と言われています。
この「βグルカン」という表現がクセモノです。
βグルカンには免疫力アップというイメージがありますが、βグルカンには何種類かあることをご存じでしょうか。
一般的に「βグルカン」と呼ばれているものは食物繊維のことです。
免疫力に効果があると言われているのは「(1→3)-β-D-グルカン」と呼ばれるもの。
逆に「(1→4)-β-D-グルカン」や「(1→6)-β-D-グルカン」は免疫力には全く効果がありません。
これらの総称を「βグルカン」と呼んでいるため、単純に「βグルカンが霊芝に比べて多い」と書いていたとしても、額面通りには受け取れない場合があります。
このことは他のキノコなどにも当てはまります。
あくまで免疫力に効果があるのは「(1→3)-β-D-グルカン」です。
このことに触れないで単純に「βグルカン」が多いと書かれているものには注意が必要です。
多くのサイトで鹿角霊芝のアピールポイントは「βグルカン」です。
よって買うことを検討している場合は「(1→3)-β-D-グルカン」がどれくらい入っているのかを確認するといいでしょう。
まとめ
鹿角霊芝は霊芝の傘が開く前の状態を維持したもの。
霊芝と全く違うものと言っているサイトは怪しいので避けた方がいいです。
また鹿角霊芝のアピールポイントは「βグルカン」の多さです。
ただし「βグルカン」には何種類かあり、免疫力に働きかけるのは「βグルカン」の中の「(1→3)-β-D-グルカン」です。
つまり「βグルカン」が多いが良いのではなく、「(1→3)-β-D-グルカン」が多いことが良いことです。
「(1→3)-β-D-グルカン」に言及しないで、「βグルカン」とだけ書かれている場合は確認することをお勧めします。
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